SixTONES『Good Luck!』の歌詞の話をします!
何回だって It's OK!
最後はやっぱり笑って踊ろうぜ
一回きりの人生だから (You & I)
飾らずいきましょう
明日は明日の風に乗ってさ
ありのまま進め Good Luck!
ねえめちゃくちゃ歌詞良くないですか??
SixTONESっていままではわりと大人な感じ、落ち着いた感じ、オシャレな感じの曲が多い印象でしたが、わたしはアイドル曲なら明るくて前向きでにぎやかで背中を押してくれるようなポジティブな曲が好きです。
要はただのわたしの好みなんですが、それにしても好きな感じはあるわけで、この曲のどういうところが好きなのかって話をします! よろしくお願いします。
明るい曲すき〜!
Aメロから歌詞を見てみます。
Wake up, it's a new day
相変わらず世界は
今日も忙しく回ってる
Oh no うんざりだね
「世界」から始まる描写いいよね〜🌍
この曲、うつむいた気持ちを照らしてくれる曲だとわたしは捉えているんですけど、そういう気持ちのときって考えることが内に内にこもってしまいがちです。
そういうときに「世界」みたいなでかい描写から始まるのは、目線を広く取り直せる仕掛けです。この歌詞のそういうところが好き。
続く部分は「世界」と対になる「僕ら」の描写。
ちっぽけな僕ら 叶えたい夢があんだ
がむしゃらになって
泣いて 転んだって 笑われたって
世界は大きいのに僕らは小さい存在……、という現状のわたしたちの認識を改めて確認します。
その先、Bメロで主人公は「だけどね、」と歌います。
カッコ悪くてもいいんじゃない?
今日はいい天気 ほら、飛び出して
(Let's enjoy! Good luck!)
背中を押してくれる曲が背中を押すポイントになる部分の歌詞です。
1行目で「僕ら」の話、2行目で「世界」の話が均等に出てきていて、視点は改めて「世界」のほうへ向けられます。
「世界」というのは海外を目指すとかそういう話ではなくて、中に引きこもってしまった自分の目線を引きはがして、外へ向けるようにするための滑走路です。
何回だって It's OK!
最後はやっぱり笑って踊ろうぜ
一回きりの人生だから (You & I)
飾らずいきましょう
明日は明日の風に乗ってさ
ありのまま進め Good Luck!
そして印象深いサビの歌詞につながります。
この曲の「僕ら」の描写で強調されるのは「ありのまま」です。
- カッコ悪くてもいい
- 飾らずいきましょう
- ありのまま進め
というように、いまの自分のまま、そこは変えないで、と繰り返されます。
その上で、行動についてはたくさんの指令が書かれます。
- ほら、飛び出して
- 何回だって
- 笑って踊ろうぜ
どういうことかっていうと、飛び出したり、何回も繰り返したり、笑ったり踊ったりするのは、やればできることです。
だけど、いままでのあなたを塗り替えて、とか成功をつかめとか言われても、それは簡単なことじゃないと思います。
この歌詞、いろんなことをしようぜと歌っているんですけど、わたしたちに無理強いをしないことを選んでくれているということだと思うのです。
だからわたしたちはこの歌詞に気持ちを委ねて、応援されるがままのありのままで進んでいっても大丈夫なんだ、って信じていけるんだよな、と思うのでした。
初音ミクが歌ってそう、の正体を考える会
ところでこの曲を最初に聴いたときのわたしの感想はこうでした。
え、初音ミクが歌ってそう!
曲調でいうと、『おじゃま虫』みたいな。
歌詞の内容でいうと『ゆめゆめ』みたいな。
でこれ考えたんですけど、SixTONES『Good Luck!』の譜割りの特徴が、DECO*27さんの作風と似てると思い至ったのでした。
その特徴はこうです。
どちらも1モーラの長さが均等になるように、音符に歌詞が振られているのです。
DECO*27 feat.初音ミク『おじゃま虫』を例に出してみます。
『おじゃま虫』のサビの歌詞は
「好き」って言って 「好き」って言って
という感じ。「きっ」と「いっ」のところには促音があります。
そういう重音節には四分音符が、そしてそうではない軽音節には八分音符が、それぞれ当てはまるように歌詞は割り振られています。
その結果『おじゃま虫』の歌詞は、ふだんわたしたちがふつうにしゃべるときと同じようなリズムで曲になっています。
リズムでいうと「タタンタタンタン」の感じ。「いっ」の部分でしゃべるときに感じるシンコペーションが、ちゃんと音符にも反映されています。
では、SixTONES『Good Luck!』はどうでしょうか?
少し長めにサビの歌詞をとり、長いので音符ではなくてピアノロール的に描いてみます。
すると、こうなります。
四分音符には2文字(2モーラ)、八分音符には1文字(1モーラ)乗ってて、ぜんぶのモーラの長さがほぼ均等になってる!
ってことがはっきりします。
この割り振り方が、DECO*27曲の割り振り方ととてもよく似ているのです。
英語の「It's」「O」「K!」の部分は、それぞれ四分音符に乗っていました。
これ日本語で「イツ」「オー」「ケー」だとしたらすべてDECO*27仮説にのっとったかたちになります。「It's」のことはカタカナで表記するならふつうは「イッツ」(つまり3モーラ)になるから例外的になりますが、英語だと「It's」「O」「K!」はぜんぶ1シラブルなので、同じ長さの音符にするのがリズムよさげ!
「最後は」の「は」が1モーラなのに四分音符に乗っていて、ここははっきり例外になります。
引き合いに出しているDECO*27曲が偏狭的に原則通りのリズムを刻んでるのがすごいんですけど、ふつうはこれぐらいのリズムの伸び縮みはよく見られることだよな、というのがわたしの感覚です。
こういう譜割りって会話のリズムに近いから自然に聞こえるはずです。
だからこれからこういうタイプの譜割りの曲がたくさん聞けるのかもな!って思いました。
というわけで、SixTONES『Good Luck!』でした。
SixTONESの曲について、いままでにこちらも書いたことがあるのでよければどうぞ💎
hacosato.hatenablog.com hacosato.hatenablog.com hacosato.hatenablog.com