5日と20日は歌詞と遊ぼう。

歌詞を読み、統計したりしています。

虹のコンキスタドール『マイレージラブサマー』の好きなフレーズ×3✈️

虹のコンキスタドールマイレージラブサマー』のMVが出ました! 夏🌻🍺🏄🌊⛰👙🌈✨

今回も好きな歌詞がいっぱいあって、きょうは好きフレーズを3つお話ししに来ました!

(まだ公式の歌詞が出てないので、出てきたら差し替えます)

好きフレーズの前の部分からの対比を味わってほしいので、1行前から引用しますね。

最初はこれ。

(押したらその場所から再生されるはず!)

もっといろんな未来が見たい
永遠とかやっぱ誓ってみたい

「永遠とかやっぱ誓ってみたい」!?!?

これ1周目聴いたときに一番脳天ブチ抜かれた歌詞です。

虹コンって分不相応に大袈裟なこと言って、それがかわいさにつながるみたいな歌詞を繰り出すことあるんです。

たとえば4年前の夏曲『愛をこころにサマーと数えよ』。

今年もあなたと過ごせるサマー これは運命だ
もうご結婚しちゃうしか!!

虹のコンキスタドール『愛をこころにサマーと数えよ』歌詞

「今年もあなたと過ごせる」→「ご結婚しちゃうしか!」は重いしふつうに飛躍がすぎるんじゃん。

でもそんなふうに短絡的になっちゃうあたりがかわいさの源泉になるんだし、そういう重い描写から抽出される成分には代わりの効かない効能があります。

今回の『マイレージラブサマー』でも同じです。

「永遠とかやっぱ誓ってみたい」、重いんだよな!!

しかも! ただ重いだけではありません。ただ重いだけだと4年前の夏曲と同じです。ここでは4年分の成長を見せたい。

それが「とか」と「てみたい」です。

これってどっちも一種のヘッジ表現で、言葉が重くなりすぎるのを軽くする効果があるやつだと思うんです。

こういう表現を付け加えることで、
・冗談だよ
・そんなに真に受けないで
・ほどほどで解釈して
って感じが出ます。

そのぼかしが虹コンの4年分の成長で、とはいえ永遠誓っておきたい感じは4年前と変わんないんですよ。

「永遠“とか”やっぱ誓っ”てみたい”」。

NOBEさんの作詞のすごいところはいっぱいあるけど、こういうスパイスをほんのちょっとした部分に振りかけるさじ加減には特にすごみ感じます……!

つぎは2Aから。

嬉しいくせに不安なんです
めんどい子の自覚あるんです

ちょっと耳コピが不安なんですが、「めんどい子の自覚あるんです」はすごい歌詞だと思いませんか…?

ここって1行目にも書いてあるように「嬉しいくせに不安」というアンビバレントな感情を描写した部分。

続く2行目ではそんな自分を「めんどい子」って歌っています。自分を1段外からメタ的に見ているんですよね。

だけどさらにすごいのはその後ろで「自覚あるんです」とも言います。

さっきメタ的に見てたはずなのに、直後にさらにそれを補強するフレーズが入ってる……?

このちょっと冷静になっちゃう感じはさっきのヘッジにも見られた大人な部分ですが、それも併せ飲んでひっくり返せるのがこの歌詞のいいところ。

思えばこのグループはずっと前からそういう歌詞を歌っていたんだよな。

hacosato.hatenablog.com

歌っているメンバーも歌詞に合っていて、たぶん当て書きなんだろうなってわたしは思います。

最後はサビの部分から。

キミにこの夏恋していいですか?
私この恋本気でいいですか?

「私この恋本気でいいですか?」…? えよすぎん??

まず1行目の「この夏」と2行目「この恋」が連動している点に注目です。

このグループは毎年夏に楽曲(たいていテンションの高いラブソング)を出していて、それぞれの夏に恋愛模様があります。

だから「この恋」って歌詞に出てきたら、それは(ほかの夏との対比を前提とした)「この夏」の恋なんですよ…!

グループの歴史と連動して、歌詞の主人公の恋愛には歴史があるのです。

しかも「“私”この恋本気でいいですか?」っていうのがさらによい……!

この曲では冒頭で、主人公は相手側(つまり「キミ」)が本気だって気づいています。

だから「キミ」との対比で「私」ってわざわざ口にしているんですよね。

この1行に2種類の対比があって、それがこの1行を代わりの効かないものにしているんですね。

「私この恋本気でいいですか?」

それはこの夏が代わりの効かない夏で、わたしとあなたが代わりの効かないひとであることと同義なのです。


虹のコンキスタドールマイレージラブサマー』でした。

すごくステキな歌詞、好きな部分だけを切り出してみました。

公式の歌詞が出たらまた何か書くかも!

それではお互いよい夏を🌻🍺🏄🌊⛰👙🌈✨