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歌詞を読み、統計したりしています。

いつかフラッと現れてくれるまでの時間は何秒間か測った(0.092秒でした!) - DISH//『猫』

こんにちは😺

DISH//『猫』という曲があります。とってもよい曲です😻

別れた恋人を猫に見立てて、「いつかフラッと現れてくれ」と願う歌です(すごい雑まとめ)。

この曲、たくさんのひとにカバーされていて、ご本人もTHE FIRST TAKEでアコースティックカバーをしていますね。

ところで、歌詞の中の

いつかフラッと現れてくれ

という部分、気になりました(圧)。

「いつか」って、いつなんだ?

たくさんのひとがカバーするからには、フラッと現れるはやさもひとによって異なるはずです。

今回は「フラッと現れ速度」を調べようと思いました。

DISH//『猫』歌詞

フラッと現れ速度を比較する

今回「フラッと現れ速度」を、「フ」って言ってから「ラ」って言うまでの時間と定義します。

正確にいうと、「フ」の子音が始まってから、「ラ」の母音が始まるまでの相対的な時間、としました。

さっそく下記の手順でアノテーションしていきます。

YouTubeで「猫 カバー」とかで検索し、再生回数の多い順にピックアップしました。

今回の対象はこちらのみなさんです!

名前 URL
DISH// YouTube動画
あいみょん YouTube動画
春茶 YouTube動画
手越祐也 YouTube動画
川畑要 YouTube動画
宇野実彩子 YouTube動画
ほしのディスコ YouTube動画
テオくん YouTube動画
タイムマシーン3号 YouTube動画
りぶ YouTube動画

こちらを音源分離してボーカルを抽出したあと、ノイズとリバーブを雰囲気で除去し、Praatでセグメンテーションしました。

f:id:hacosato:20210304205807p:plain
アノテーションの光景です。

こういう感じ!

↑これは比較的きれいに出たやつなんですけど、どうがんばってもセグメンテーションできなかったひとの分(香取慎吾さんのとか…)は残念ながら集計対象外とさせていただきました😢 こんご音声加工テクニック極めるね……。

Praatは独自すぎる仕様のスクリプトが使えるので、それを使ってそれぞれの音素の長さを出していきます。

その結果がこちら。

名前 h u r a
DISH// 21.25% 5.27% 8.56% 64.91%
あいみょん 14.18% 7.83% 3.92% 74.06%
春茶 0.00% 0.00% 36.16% 63.84%
手越祐也 21.60% 15.68% 5.21% 57.51%
川畑要 13.42% 14.73% 3.15% 68.71%
宇野実彩子 30.86% 9.32% 3.50% 56.32%
ほしのディスコ 27.54% 0.00% 10.22% 62.24%
テオくん 30.15% 7.11% 6.41% 56.33%
タイムマシーン3号 21.17% 0.00% 12.90% 65.93%
りぶ 21.89% 3.54% 10.63% 63.94%

「フラ」って発音している長さ(だいたい0.3秒とかです、すごいねぇ)のうち、「h」「u」「r」「a」の占める時間の割合を出したものです。

そしてそれをグラフにするとこういう感じ。

f:id:hacosato:20210305210546p:plain
フラッと現れ速度のグラフです。

わかりやすい〜!

グラフをたどっていって、最初に緑が出てくるひとが優勝です。ということは…

フラッと現れ速度が最も速かったのはあいみょんさんでした!!

DISH//の北村さんがまだ「u」(つまり第二コーナー)をやっているあたりで、あいみょんはフラッと現れを完了させているんですよね…たしかにあいみょん速そう……。

ここで、あいみょんさんの「フラッ」をおさらいします。1分34秒に合わせておいたよ。

確かに速い……。

気がする……。

えっ……、

正直わかんなくないですか??

耳で聴いてもなんとなくでしかわからないことが、こうやって波形を見たりするとわかるんですね〜すご〜いね〜〜!

ちなみに時間は0.092秒でした。人間の耳それぐらいはぜんぜん聞き取れるんですね〜。

さて。

あと、春茶さんのグラフに「h」と「u」がないことについて補足します。

実際に聴いていただくとわかるんですけど、

「フラッ」っていうより、「うわっ⤴︎」みたいな感じの歌い方になっています。声質も相まって、霧の中から猫になった君が現れるような、落ち着きとファンタジー感がありますね🐈

一般に「ら」ははじき音なので、ごく短い閉鎖みたいなのが波形からわかることが多いんですが、今回は閉鎖しきってなくて「わ」みたいに聞こえるようです。

母音と半母音の間は境界を引けないことが多い上、今回は手元で音源分離をしたものなのでボーカル部分の音質も難しい感じでして、「h」「u」「r」の部分については境界を引けないね、という判断をしました。

ほかにも「u」「r」の境界を引くのを何人か断念したのがグラフに出ています。よければ聴いてみてください〜!

まとめると、

フラッと現れ速度が一番はやいのはあいみょんさん!!

でした〜〜。


ということで、『猫』を聴き比べしてフラッと現れ速度を比べよう選手権でした。

見てて圧倒的にわかると思うんですけど、今回のやつ結果が完全にわたしのセグメンテーション依存になってしまうので、信憑性としてはうーんどうかなぁ…という感じの話になってしまいました…。

ぶっちゃけセグメンテーションぜんぜん経験値不足なので、一貫性のあるルールでできたかどうかあやしい…😢

そもそも「ら」の発音って個性が出まくるのでこういうのに向いてないんだよな(??)

一方、たとえばピッチやフォルマントの推移を追うのだと、ちょっとよさそうだと思っています。

あるていどわたしの手心が入る余地が減ってくるため、もう少しわたしのスキル依存じゃない分析ができるかなって思うんですよね〜。

二重母音の遷移とかをやってみたーい! 差異を取りやすい切り口を見つけたら挑戦してみます!!

猫 〜THE FIRST TAKE ver.〜

猫 〜THE FIRST TAKE ver.〜