5日と20日は歌詞と遊ぼう。

歌詞を読み、統計したりしています。

小さく小さく閉じこもるサビ - あいみょん『3636』

あいみょん『3636』の歌詞について一問一答やります!

あいみょん『3636』歌詞

だれが作った曲?

歌ネットによると、

作詞:あいみょん
作曲:あいみょん
編曲:Sundayカミデ

とのことです。もう少しオフィシャルっぽい情報源に当たりたかったのにリテラシー低くてむりだった。。

3636って何?

「3636」自体は歌詞には出てこないけど、

宅配ボックスの5番のとこ
いつもの暗証番号で
閉じ込めてる 2人の思い出

という歌詞があるので、暗証番号だと思います。

3636ってどういう意味の数字?

Wikipediaだと、あいみょんさんの誕生日は3月6日とあり、それを踏まえて暗証番号を決めたのかもしれないですね。

Googleで検索すると出てくる「エンジェルナンバー」って何?

TIMELESS EDITIONによると、数の秘密を多角的に見た「数字の持つメッセージ」のことみたいです。数秘術の一種なのかな。

エンジェルナンバー3636を解説したページはネットにいくつかありますが、内容はまちまちで定説決まってなさそうです。これからに期待です。

嫌になったの?

なってません。

飽きてしまったの?

飽きてません。

どうしてこの歌詞の話をしようと思ったの?

はい、よくぞ聞いてくれました!

お話しします!(圧

Aメロはこういう感じ。

嫌になったの? 私と過ごす日々を 飽きてしまったの? なんのアレンジも効いてない日々に つまんなくて 嫌になったのかな 今日の帰りは何時?

この曲、大まかには失恋の曲です。

相手の心は離れていってしまっている感じ。主人公はそれに気づいているけど、元の関係に戻れる糸口は見つからない感じ。

それの感じが「嫌になったの?」という冒頭の短いフレーズに込められています。作詞うまいなぁ……。

主人公なりに思うところはあるようで、

飽きてしまったの?

 

つまんなくて 嫌になったのかな

など、かなりたくさんの「思い当たる節」みたいなのが埋め込まれた歌詞になっています。

そんなわけで、Aメロは相手の話でした。

Bメロに映ると、描かれる内容が変わります。

相手のことばかりではなくて、自省する部分が出てくるところ。

毎日の楽しさに 自惚れすぎたね
幸せの海で 浮かれすぎたよ

主人公はとっても大人です。相手の心境も慮ることができるし、自分の感情も分析することができます。

で、問題は続くサビの部分です。

ここがだいぶ型破りなところが、わたしがこの歌詞を好きな理由です。

こういうAメロBメロを経て、わたしが続きを書くなら、と想像してみます。

わたしだったら続きはやっぱりふたりの関係の話をしたくて、「好きだったのにな」とか「寂しいな」とか「また二人でやり直そう」とか「いっそ殺してやる」とかそういうサビにしたいところです。

たぶん世の中的にはそういうふうになってる歌詞が多いんじゃないかと思います。

作詞家の高橋久美子さんは「粒から宇宙へ」という言葉を述べていました

サビではやっぱり大きいこと言うほうが落ち着きが出るんですよね〜。

ところが。

実際のあいみょん『3636』のサビは、こうです。

宅配ボックスの5番のとこ
いつもの暗証番号で
閉じ込めてる 2人の思い出

まず、いままで歌詞には出てこなかった「宅配ボックス」。そしてその中の「2人の思い出」。

ここで新しいものが出てくる感じや、それが閉じこもっている感じ、すごく斬新です。

しかも、

宅配ボックスが開かないのです
私が固く閉ざした
その扉 簡単には開かないのです

宅配ボックスが開かないことによって、二人の関係が閉ざされていることを表しているんですね。

たぶんふたりは宅配ボックスを使って、秘密裏になにかやりとりしたりしていたんだと思います。

宅配ボックスの扉は、二人がお互いに開いた心の扉だったのです。

それが開かなくなるということは暗証番号が変わったということで、3636ではなくなったということで、主人公をあいみょんに重ね合わせると、思われる人が変わってしまったということのように読めます。

この部分には、さらに別の効果もあります。

さっきも見た通り、サビってだいたい歌詞には広がりがあってちょっと抽象的で感情の話をするみたいなのがしっくりくるところがありました。

ところが、広がりを出したいはずのサビの部分、この曲では宅配ボックスが出てきます。

それによって、歌詞の目線は小さく小さくなります。

うつむいて暗くて狭い場所に目が向く感じが、この歌詞の失恋の翳りとよく符合するのです。

宅配ボックスというのはおもしろいモチーフです。

宅配ボックスでやりとりするっていうのはなんだかとても令和の、ポストコロナの、2020年台の、そういうにおいがします。

モチーフも、その出てき方も、出てくる場所も、すごく歌詞の描きたいこととよく合っててすごいな!って思ったので、この歌詞の話をしました!

あと。

Aメロではなんとなく、主人公はまだ思っているのに、相手側の熱が冷めてしまった恋愛のように見ていました。

だけど、サビではこう書かれています。

私が固く閉ざした
その扉 簡単には開かないのです

もしかしたら、相手が設定した暗証番号は3636のままで、主人公側が番号を変えてしまったのかもしれないな、ってここを見てわたしは思ったのでした。

アレンジの効いてない日々に、自分でアレンジを効かせるように。


あいみょん『3636』でした。

あいみょんの歌詞はいままでにも2曲考えたことがありました!

よければこちらも見てみてほしい!

hacosato.hatenablog.com hacosato.hatenablog.com

3636

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