5日と20日は歌詞と遊ぼう。

歌詞を読み、統計したりしています。

加藤ミリヤ×清水翔太『Love Forever』

ふたりなのに「ひとり」の愛
こんにちは。ここのところ更新が遅くてすみません…。特にだれかに迷惑をかけているわけでもないし…とか思っていたらたくさんの方にコメまでいただきましてありがとうございます。
Love Forever
今回はyuiさんのリクにお答えしまして、加藤ミリヤ×清水翔太『Love Forever』を取り上げたいと思います。正直、耳に覚えはあったんですが聴かず嫌いをしていた曲です。ごめんミリヤ&しょうた…←呼び捨てやめr(ry
さてこの曲は見た感じ明らかにラブソングなのに、とても特徴的なある言葉がたくさん出てきます。それは「ひとり」という言葉。

君に出会えてよかった
切ないけれどよかった
ひとりの夜もそばにいてくれた
世界にたったひとりの
君に出会えてよかった
思い出は 夜の空 星になり 輝くよ

サビのフレーズを引用してみました。でも「ひとりの夜もそばにいてくれた」はおかしいと思うの。そばにいるなら「二人」のはず。でもこの曲には「二人」は1度しか出てこなくて、代わりに「ひとり」が10回も出てきます。どうしてでしょう?
歌詞に登場するふたりのことを思いながら、このことを考えてみましょう。
歌詞はこちら→http://music.goo.ne.jp/lyric/LYRUTND78145/index.html
構成はこちら→サビ-A-B-サビ-A-B-サビ-C-サビ-D
http://jvideo.info/videos/2238/

別々のエピソード

この歌詞をぼんやりと見ていると、私はおかしなところに気付きました。2連と3連の冒頭を引用して比べてみます。

ずっと孤独だった 壊れた心のドア
夜に怯えた 部屋でうずくまってた

迷わず何もかも捨ててきた
こんな私を愛してくれた

2連と3連は出会う前の過去を歌っているのだと思いますが、それにしてはちょっと変です。だって「うずくまっていた」はずなのに「何もかも捨ててきた」なんて。ずっとうずくまっていたら捨てるものなんてないと思うし、このふたつのエピソードがひとつの像を結ばないのです。
とすれば、考えられることはひとつ。
そもそもこのエピソードって、別々のものなんじゃ?
改めて思えばこの歌詞はラブソングみたいですから、このエピソード、どちらかがのもので、どちらかが彼女のものなのでしょう。3連のほうには「私」という一人称がありますから、こちら側が彼女のはず。ということは必然的に、2連がのほうです。
この曲は加藤ミリヤ清水翔太が交互に歌っていたりしますが、私の考えでは、この歌い分けに関係なく、この歌詞はサビ以外ぜんぶパートと彼女パートに分かれているように見えます。続きを読んでみましょう。
3連のあとにサビがあって、5連と6連がまたカレカノに分かれます。

深夜0時過ぎの 街にひとりきり
泣きたいのに強がってる

自分だけの時間が必要だった
少しお互い知り過ぎたかな

「泣きたいのに強がってる」のはふつう女子だと思います。また、ひとりを選びがちなのは彼の性格です。ということは、5連が彼女、6連が氏、となりそう。
最後に、7連と9連が残りますね。

永遠を君に
もう逃げないって ここに誓うよ

君と出会えて世界は変わった
心動かす君探していた

7連には「もう逃げない」っていう部分があります。ということは逃げていた過去があるはずなので、これは彼女。で「心動かす君」が出てくる9連は、相手と出会う前に動いていなかった過去があるはずなのでの話。
ってふうに、この曲はサビ以外の部分、彼女のパートできれいに色分けできます。まとめると、こんな感じです。

彼と彼女の置かれているシチュエーションとか、垣間見える性格とかもちょっと分かってきますね。表にまとめてみます。

  彼女
1番 孤独
うずくまっていた
何もかも捨ててきた
2番 距離を置きたがる 泣きたいのに強がってる
3番 君を探す もう逃げないと誓う

こんな感じになりそう。全体的に、内省的なと、外向的な彼女との性格の対比が見えてきます。

「ひとり」の愛

さて、冒頭の疑問に立ち返ってみたいと思います。
ところで「君に出会えてよかった」って聞いたら、ふたりで歌っているわけだし、ふつうはここに幸せな空気を感じるところだと思います。君に出会えてよかった。これからもいっしょにいようね。というような、恋の途中につながりを確かめ合うような曲に聞こえます。GReeeeN『キセキ』とか、GLAY『BELOVED』とかと同じで、なんでもない日常を描いた、幸せなラブソングのように見えます。表面上は。
でも私は途中で気付きました。このふたり、もう別れてるのね!って。「よかった」の「た」は、完了形じゃなくて過去形だったのね、って。

世界にたったひとりの
君に出会えてよかった
思い出は 夜の空 星になり 輝くよ

サビは3つあり、どれも同じで、こういう風に終わります。「君に出会えてよかった」のあとに唐突に「思い出」という単語が出てくるのはどうしてでしょう。脈絡なくでてくるわけがありません。君に出会えたこと自体が思い出だったんだとしたら、そこのところに筋が通ります。もうきみとの出会いは思い出なのです。
決定的なのは7連からの3番です。ここからは歌詞が、現在形に変わっています。これまで、サビ以外の部分はぜんぶ過去形でしたから、ここで時制が変わったと分かりますね。

あの日君がくれた夢の欠片
この手握りしめて離さない
きっとこんなに本気になれた愛
二度とない

たとえば9連を引用しました。語尾を見てみて。1番や2番だったら「なかった」となっているはずだと思うところが、ぜんぶ「ない」になっていますね。つまり、ここの部分はこれまでとは時制が変わって現在のことを描いているのだと思います。
そして「あの日君がくれた夢の欠片」とか「こんなに本気になれた愛/二度とない」とか。もう疑いないと思います。ふたりは別れてしまっているんですね。
この曲で唯一「ひとり」ではなくて「二人」が出てくるのが、この最後の最後の現在形の連です。

君と出会えて世界は変わった
心動かす君探していた
あの日の二人に戻れなくても
離せないよ

これまで、歌詞にはずっと「ひとり」だけが出てきていました。たぶん彼と彼女は出会って、お互いが必要になっていっしょに時間を過ごしたけれど、なにかがあって別れてしまったんでしょう。2番に出てくる喧嘩が直接の原因かもしれませんが、そうじゃないかもしれません。そこは分かりません。
でも、こうして歌詞だけを見てみると、ふたりは恋に落ちている間もずっと「ひとり」だったってことが随所から分かります。お互いのことを本当に思いやるような余裕は、もしかしたらなかったのかもしれません。
でも、別れてしまってからの最後の連になって初めて「二人」が出てくるのはとても意味深です。いっしょにいる間、ふたりはいっしょなのにずっと「ひとり」のことを歌っていました。そして別れてから初めて「ふたり」という単語を思い出します。彼は別れてからやっと、孤独だった恋愛に初めて気付いたんでしょう。本当にいっしょにいる「二人」は思い出の中にしかいないんでしょう。
そして、思い出の中にいるからこそ「Love Forever」というタイトルが似合うんでしょうね。



Love Forever

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