こんばんは。遅刻した〜!
LiSA『明け星』の話をしにきました。
続きを読む明けましておめでとうございます🎍
今年は初めてカウコンを見ながら年越ししました! いつか会場に行ってみたいな!
さてふぉ〜ゆ〜『大丈夫さ』の話をします。
大丈夫さ(君がいれば)
心配ないさ(心配ないさ)
これからも声出して行こうじゃないか
という始まりで、これは底抜けに明るい応援ソングなんだな?って一瞬思います。
だけどよく見ると変なところがあるのです。この曲、もしかして応援ソングじゃないんじゃ……?という疑念が湧くところが最初のターン。
そして、やっぱりそうではなくて、結局底抜けに明るい応援ソングなのでは?と思い直すところがその次のターンです。
コーナーを2つ曲がって、最後に明るいところにたどり着けたらいいなというのが今日のお話です。よろしくお願いします♨️
先日こんなツイートを見ました。
10代の方から「歌詞に英語のフレーズが入っていたら昔の曲」と言われて脳をかち割られたような衝撃を受けています。たしかに最近の歌、英語フレーズがない。
— トイアンナ/ライター (@10anj10) December 7, 2021
それに対して、
など、いろんな人が意見を出していました。
歌詞の話で盛り上がれてたのしいですね✨
でも、実際に最近英語のフレーズがある曲が減ってるかを示している人はいないようでした。
みんなの反応こんなにあるのにね!*1
最近、実際英語の入る曲減ってるんだろうか……?
気になったので、自分でやれる範囲で見てみました!
というわけで本を読みます。
この本の中に、まさに歌詞の中の外国語の話が出てきます。これです。
なるほど!?
1970年代から一貫して上がっていた外国語の使用比率が、2000年代から2010年代にかけて減少しています。
また、外来語も1990年代をピークに2010年代にかけてやや下がっています。
これをもとに、この本では「日本語回帰現象」が提唱されています。日本での流行歌は、1990年代末まで日英混交文体が増加し、そのあと英語の使用が減少した、とされているんですね〜。
やっぱり最近は英語のフレーズ減ってたんだ!
という手応えを得つつ、別の切り口も見ます。
タイトルです。
歌詞のタイトルを見ると、2000年までは和語(青)が減り、外国語(緑)が増加していますが、2010年に傾向が逆になっています。和語は増え、外国語は減少しています。
ですが、タイトルに英語が使われていても、歌詞には英語がまったく使われない例はわりといっぱいありますよね?(togetterでも出てる)
ので、タイトルでなにかを論じるのは難しいかもしれない……。
また、どちらも10年に1回ぶんのデータしか見ていないようです。2010年代って本では呼ばれているけど、2010年のデータしか見てないんですよね…(2011年も2009年もない)。
もちょっと詳しく見たいんだけどな…??
てわけで、別のを見てみます。
論文を見ましょう〜✨
『語彙指標を用いた流行歌の歌詞の通時的分析』です。
こちらでは、オリコンのデータを年次で集計対象としています。ありがたい〜〜🙏
MeCabとUniDicを使って形態素単位で見ているみたいです。
すると結果はこちら。
最初の本の内容とだいたい同じ傾向を示していることになります。1990年代以降に外来語が減って…ってところが、「日本語回帰現象」と同じです。
おっ、やはり最初のツイートの感覚は正しいかも…!?
でもこちらの論文でも気になるところがあります。
この論文では、たぶん日本語以外のアルファベットとかを分析対象にしていません。MeCabとUniDicの組み合わせだと日本語と日本語以外が混ざった文書の形態素解析うまくできないよね?
最初のツイートの感じからすると、(外来語もいいけど)どっちかっていうと英語自体が入っている歌詞のことを気にしているような気がします。
そうだとすると、この論文の範囲から少し離れるかもしれません。
というわけで、自分でもやってみます。
長めに通時的なヒット曲のデータがほしいので、今回はエンタメ生活のデータを使いました。
円盤単位でヒット曲を出しているようなのでオリコンのデータと似ていますが、オリコンと同一ではないようですね。
こちらと歌ネットのデータを突き合わせて見てみます。
形態素解析で語種を出そうかと思ったんですが、先述の通り手持ちの環境だとさくっと進めることはできなそうなので、形態素解析はせずに文字種ベースで分類することにします。
分類対象は、数字、アルファベット、ひらがな、カタカナ、漢字、その他、です。
さっそくグラフにしてみると、こういう感じ。
あれ? 思ってたのとちがう…?
1980年代から現在にかけての推移を見ると、黄色のひらがなががんがん下がり、その分赤のアルファベットが上がっています。
え、やっぱ「日本語回帰」じゃないじゃん…!!
でもよく見ると、このグラフと「日本語回帰」、ちぐはぐというほどでもないように見えます。
本のほうから見ます。
さっきの本では10年おきに集計対象になっていたわけですが、それをピックアップしてみました。
年 | ひらがな | アルファベット |
---|---|---|
2000年 | 43.16% | 19.48% |
2010年 | 41.42% | 19.98% |
2000年と2010年だけを比較すると、アルファベットの比率はほとんど変わってないんですよね〜〜。
やはり10年に1度分のデータだけだと傾向をつかみづらいというのと、それから2010年以降にいろいろ風向きが変わったのかもな〜って思います。
つぎ論文のほう。
さっきの論文で対象になっていた「外来語」はカタカナで表記されることが多いと思います。
このグラフ内の緑カタカナは、確かに1980年ごろから2010年ごろにかけてだいぶ減っているんですよね…。
「外来語」の減少はここに見えているのではないかと思います。
でも、もともとツイートで話題に上がっていたのは「外来語」ではなく「外国語」のほうなので、それでいうとグラフ内の赤い線の伸び方に注目する方がよさそうですね!
ここまで見た範囲での結論としてはこうです。
最近の歌だからといって、別に英語がないわけではない。
だけどわたしの中では、なんか腑に落ちない気持ちもあります。英語減ってると感じる気持ちもわかります。
最近の歌やっぱりそんな英語なくない? あいみょんも米津玄師もYOASOBIも英語そんなにないよね?みたいな。
それはたぶん、わたしが聴いてる曲が偏っているからです。
先日まとめたように、ジャニーズでは日本語と英語をがんがん混ぜています(わたしジャニはキンプリより前デビュー組ぜんぜん追えてないので……)。
また、今回歌ネットだけでしか当たっていないため、そもそも歌ネットにない曲がいくらかあります。
たとえばBTSの英語の曲の歌詞は歌ネットにはないんですよ〜〜😭
それを考慮に入れると、今回提示のグラフよりさらに英語の比率が高まる可能性もあります。
今回は円盤ベースで集計したのでこんな感じでしたが、別の指標で曲を選ぶとぜんぜん風景が変わってくるかもしれないですね。
古いデータはないけどBillboardとかだとよりヒットの傾向を反映してるって聞くので、今度はそっちでも見てみたいです! 今後の課題!!
*1:ところでここにわたしのツイート載ってるじゃん? いま知ったんだが??
こんにちは😺
DISH//『猫』の話をします。
夕焼けが燃えてこの街ごと
飲み込んでしまいそうな今日に
僕は君を手放してしまった
という始まり方の失恋ソング。
失恋ソングにも吹っ切れたやつからずっと引きずるやつまでいろいろありますが、この曲は主人公の描写がじっくりじっくり変わっていくところに、この曲ならではの味わいがあります。
夕焼けってずっと見ていると、太陽の位置がどんどん変わって、空の色がどんどん変わって、景色がどんどん変わっていくので意外と変化があってにぎやかです。
この曲で描かれる失恋は、そういう夕焼けの感じに似ています。
きょうはそれを、いっしょになぞってみたいです!