5日と20日は歌詞と遊ぼう。

歌詞を読み、統計したりしています。

言語学関係しか学会行ったことなかったわたしが、言語処理学会に行ってみたよ!

たのしかった〜〜!

わたし、最近よく言語学関係の学会におじゃましています♪ 言語学会とか日本語学会、語用論学会らへん! いつも楽しくしてくれてありがとうございます😊

さてそんなわたくし、先日、言語処理学会の年次大会に行ってきました! 自然言語処理NLP)界隈の春フェスです✨

全部で4日間あるうち、わたしが参加できたのはわずかに1日だけだったんですが、それでもとってもよかった!

きょうはそんなお話をさせてください!!

www.anlp.jp 今回わたしが参加した言語処理学会のだいたいは、ここに書いてあります。

詳細は上記を見ていただくとして、びっくりしたことがいくつかあるのでお話させてください!

とりあえずでかい…めちゃくちゃでかい…!

言語処理学会、とにかく大規模です。

そもそも4日間もある学会初めてだし、発表の数も400とかあるっぽいんですけど…。よ、よんひゃく…??

1249人がいる学会なんてわたし行ったことない…。これより人口が少ない日本の村めっちゃある…ヤバみ…*1

企業のひとが超いる…!

言語学関係の学会だとたいてい出版社コーナーがあって、本が2割引で買えたりする特典があります。

出版社からしてみたら、ターゲットを絞って効果的に販促できる場所だし、研究者さんからしてみたらふだんなかなか手に入らない本にたくさん触れられるというすてきなメリットがあります。持ちつ持たれつなんですね。

一方で、言語処理学会に来ている企業ブースのひとたちは、もっとずっとアグレッシブです。

企業のひとたちは、優秀な研究者を青田買いしたいから!

そのために、ノベルティをめっちゃ配ったりしながら、超アピってくれます。

そのうえ、スポンサーとして、懇親会を企画してくれたり、お菓子を提供してくれたりしています。すごい……。

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これひとがいない朝イチに撮った写真。左側のやつはぜーんぶ企業ブース。このあと人でいっぱいになっちゃって写真撮れなくなってしまった……。

学会の参加者の中にも企業のひとが1/3もいて、これ言語学の学会ではとうてい考えられないなと思います。ほんとに賑わってる!!

サポートが手厚い! 快適…!

これ企業スポンサーさんの存在と裏表だと思うんですけど、学会とっても快適でした。

まず予稿集。事前申し込みの場合は事前にもらえるし、当日でも申し込みしたらもらえます。すべてデータで! やったぜ!!

それ以外に冊子もあって、プログラム、目次、索引、広告がついてるきれいな装丁の本になっていました。半分はフルカラーだぜ? これだけでもカネの力を感じるな?

教室には電源あってWi-Fiもゆき届きめっちゃ快適でした。NLPerには信じてもらえないかもしれないですが、わたしが参加したすべての学会の中で、この待遇は初めてでしたね…。

NLPの研究はVTuberさんたちみたい〜!

ところでじつは、発表の内容、じぶんは100%わからないのではないかと思っていました。

そしたら、意外とそんなことなかったです〜! この感触がわたしの背中を押した!!

95%わからない、ぐらいでなんとか済みました〜! よかった〜〜!!

ねえ聞いて。

たとえば、NLPでは「タスク」と「評価指標」いう概念があります。

これってVTuberさんたちの社会に似ているなぁってわたし思うんです。

VTuberのみなさんって、あるひとがある歌をうたったら他のひとも競って同じ歌うたうし、あるひとがあるゲームやったら他のひとも同じゲームやる、みたいなやつあるじゃないですか。

VTuberでいう歌やゲームが、NLPでいう「タスク」です。わたしはこの場所で成果を出そうと思います!の選手宣誓です。

そして、VTuberさんたちは、動画の再生数や、仕上がりの品質や、チャンネル登録数とかで、互いに競い合います。

VTuberでいう再生数や品質や登録数が、NLPでいう「評価指標」です。わたしの成果はこの観点で見てねというものさしです。

…ということを前提にして聞いてほしいんですけど、タスクと評価指標の策定は、専門知識の乏しいわたしでも意外とわかる感じが、したんですよ!

そういう問題意識だと、タスクの設定とかみあうのかな??

とか、

その評価指標では、そのタスクの成果を測れないんじゃない?

みたいなことが思いついたりして、そして実際に質問をしてみたりもしました!

厚顔無恥もいいとこ!!(親身に答えていただきました〜ありがとうございます✨)

言語学の知識があったらいいのに

言語学や日本語学は一般に文系の学問だと考えられていて、NLPは一般に理系の学問だと考えられています。

だからかどうか、互いにあんまり交流ないみたいなんです……。

言語学や日本語学の界隈のひととしゃべっていても、

それって機械学習で解決できるタイプの問題じゃん…

とか

あのひとが機械にはできないと言っている課題はNLP業界で“ゼロ照応”って呼ばれて研究されてるやつじゃん…

みたいなことがわりとあるんですよね…。

わたしはまだまだ勉強不足だけど、逆パターンもあるのかな?と気になったのが今回来訪したポイントのひとつでもあるので、関連しそうなポスター発表めちゃくちゃ聞きました!

そしたらね。

ありました!!

著者推定はコーパス言語学でよく出てくるやつ! 先行研究いっぱいあるよ!

とか、

皮肉は語用論とレトリックで研究されてるやつだから見てみて〜!

とか、

そういうデータはNINJALが持ってたはずだから、ちょっと調べてみて!

みたいな事態が無事発生しました! なんかうれしい気持ちになった〜!!

役に立てた、みたいな感触は勘違いかもしれないけど、言語学界隈がNLP界隈を知らないように、NLP界隈も言語学界隈を知らないことがあるんだ!っていうのが、なんか感覚としてすごく新鮮でした🎵

学問がどうやって前に進んでいくのか、のちがいのこと

ぶっちゃけわたしは言語学も日本語学もまったく専門ではなく、ただの歌詞好き一般人です。

だからじつは、わたしは言語学NLPとのあいだの橋渡しとかぜんぜんできないのです。

でも今回お出かけしてみて、どちらのジャンルの強者も、互いに相手のジャンル見てみてほしいなぁって思いました。

だって、人間の言語を知りたい、っていうゴールはほとんどおなじだったりするのに、アプローチぜんぜんちがったりするのよ?

しかもそのための似通った地道な作業をべつべつにやったりしてるのよ??

お互いに交流しながら進んでいったら、きっともっといい感じになるんだろうなぁ、って思いました。

そういう施策はすでにたくさんあるんだろうけど、まだうんと距離があるから、だれかそこにちゃんとした橋をかけて、道を作ってほしいなって思っています。

お力になれるところはぜひなりたいけど、きっとわたしにはできないのですよね…。

だから、小町先生が言うところの「知の高速道路」が整備されたら、今度はきれいな写真を撮る係をするね!📷


というわけで、言語処理学会に行ったときのお話、でした。

hacosato.hatenablog.com

去年の夏に言語学会の夏期講座に行ってとってもはっぴーだったんですが、今回それと同じようなはっぴーを感じました。

いろいろ文化はちがうけど、アカデミアのオープンな空気はだいすき! サブカルの世界よりよっぽどオープンだよね?

ところでそもそも、学会ってなんか選ばれし者しか行けない、みたいな予感のある方はいらっしゃいませんか?

(そういうやつも中にはあるかもしれませんが)わたしの知る限り、いまのところそういうのはないです。

今回の言語処理学会も、安くはないお金がかかるんですが、それでも「一般」として料金設定がされているからには、お金を払って正々堂々と入って参加することができるのですよね。

たいていの大学は、(建前上)学外の人が通常の授業受けたりとかはできない中で、学会というのはどうやらもっとオープンなようです。

知が世に開かれているというのは、きっと先人の努力の結果で、それはほんとうにありがたいことだなと思います。

ということは、わたしたちはそういうチャンスを使っていくしかないのだな、と今日も感じています。

これからもいっしょに学び続けましょう✨

わたしはまだまだ簡単なプログラムしか書けないから、いまからはSQLのお勉強するね!


次回は、本来なら4/5に更新する予定なんですが、今回だけ3/31にしますね〜!