2017年は、なんと初音ミクさん誕生から10周年でした! お誕生日おめでとうございました🎂
そんな10周年を祝って、2017年もボカロ界ではたくさんの曲が生まれました。
今日はその中で、
をおさらいします。
これを読んでおけば冬休み明けにボカロクラスタのあの子にも話しかけられるぜ!
ってぐらいのテンションでどうぞお楽しみください!
セトリはこちら。
http://vocaran.jpn.org/movieranking/sum/view/2017vocaran.jpn.org
1.ハチ feat.初音ミク『砂の惑星』
今年圧倒的な再生回数だったのがこの曲。私が見ている1月3日現在で361万再生で、これは2位にダブルスコア以上をつけています。
さらに、YouTubeでは再生回数が1600万再生に迫ろうとしています。これはAKB48とかの最近の曲を超えて、今年初めて紅白に出場したWANIMAとかSHISHAMOとかに匹敵する数字です。すごいですね!
個人的に、この曲のおもしろいところは歌詞です。
ねえねえねえあなたと私でランデブー?すでに廃れた砂漠で何思う
今だパッパパッと飛び出せマイヒーロー どうか迷える我らを救いたまえ
ぶっ飛んで行こうぜもっと エイエイオーでよーいどんと
あのダンスホール モザイクの奥 太古代のオーパーツ
光線銃でバンババンバン 少年少女謳う希望論
驚天動地そんで古今未曾有の思い出は電子音
この曲の歌詞、初音ミク10周年にちなんで、初音ミクの有名な曲を引いているんですね!
1行目は『マトリョシカ』、2行目は『パンダヒーロー』、4行目は『ワールズエンド・ダンスホール』 、5行目は『千本桜』。どれも超がつくほど有名なタイトルです。
それを下敷きにしつつ、ちゃんとそれとは独立した歌詞の世界を作り上げているところがすごいんですね!
この曲を作っているのはハチさん。
2010年ごろにボーカロイド楽曲でこの上ないぐらいに人気があったのですが、ここ4年ほどボーカロイド曲は発表していませんでした。
だいたい同じ時期に、ハチさんは本名の米津玄師名義で、じぶんの声で歌う活動を始めます。
本名名義の活動に専念するのかな?と思われていた折に『砂の惑星』をリリースし、本名名義の活動で知ったファンもこの曲にたくさん注目したんですね!
本名名義ではあまりマスコミに出ないのですが、この方最近のJ-POP界をマジで席巻しています。
たとえば2017年、YouTubeで一番再生回数があった音楽の動画はDAOKO × 米津玄師『打上花火』でした。ここにも米津玄師!
つまり米津玄師さんは2017年、ニコニコ動画でもYouTubeでも天下を取ったということになります。すごすぎかよ。
『打上花火』は歌詞もおもしろいので前に記事を書きました。読んでね。
2.ナユタン星人 feat.初音ミク『太陽系デスコ』
もう、この曲キャッチーすぎてわたし大好きです💕
この曲のいいところは、手拍子とかコーラスとか、合いの手を入れるポイントがものすごくたくさんあるってところ!
そういうところが最近のアイドルソングみたいでとってもいいです。J-POPとボカロ業界はべつに断絶しているのではなくて、相互に影響しあっているのです!!
そんなわけで、カラオケで友だちがうたってたのを聴いたとき最高かな……って思いました。
あの一等星のさんざめく光で あなたとダンスを踊ろうか
我が太陽系の法則に誘われ 交わった感度で綺羅めいて、星ッ!オー・オ・オー!星間線を絆いで
オー・オ・オー!あなたに届け
オー・オ・オー!宇宙の果てから
オー・オ・オー!あなた 侵光系!
ナユタン「星人」という名前に則って、ほとんどすべての曲が天体や宇宙に関する縁語であふれています。歌詞におけるそういうわかりやすさのほかに、
- PVは必ず単色の背景で、歌詞が大きく表示されるので、スマホ向け
- その手前でキャラがダンスしているので、踊ってみた需要が喚起される
など、プロデュースが徹底している楽曲群さいこうです…。わたしカモでいいよ……。
この曲を作っているのはナユタン星人さん。
去年この曲で大ブレイクしました。むかしのボカロを知っていて、最近のボカロを知らない人なら、このひと一人を押さえるだけで世界がだいぶくっきりして見えると思うのでぜひ追いかけてほしい〜〜!!
この曲はCMでも採用されて、地上波でたくさん流れました♪♪
3.バルーン feat.flower『雨とペトラ』
この曲はサビのところの発声ちょうかっこいいんです!
雨が降ったら きっと 頬を濡らしてしまう
枯れてしまった 色ですら 愛しくなるのに
目を瞑ったら もっと 遠く霞んでしまう
煩くなった雨の音 笑い飛ばしてくれ!
っていうのがサビの歌詞なんですが、ここ
「ぅわめがふったら!」
って感じで歌うんですよ。
ボーカロイドの発声の調整のことを「調教」っていうことがあるんですが、それでいうと調教が独特です。人間っぽいけど不思議なところで機械っぽさが残っていて、歌詞のおしゃれですこし不気味なところとすごくマッチしています。
ところでボカロ曲には「歌ってみた」という文化があります。ボカロと同じ曲を人間が歌ってみるというものです。 この曲を歌ってみる歌い手は、この独特の調教を意識した上で、
「どうやったらこの曲を人間が歌う意義を表現できるんだろう」
っていうテーマに挑戦することになるんですよね! アツい。
この曲を作っているのはバルーンさんという方。去年ボカロ版でリリースし、2017年に須田景凪名義で歌った『シャルル』という曲がとにかくすっごいんです。
なんとこの曲、JOYSOUNDの「2017年発売曲 カラオケ総合ランキング」で1位を取ってるんです…。これが何を意味しているかわかります??
これ、J-POPとかそういう垣根を超えて、2017年にリリースされた全曲を対象にしたものです。つまり、日本でリリースされた曲すべての中で1位。
この記事の中で2017年が「ヒット曲不在」と表現されていますが、その状況下でヒット曲をひとつ挙げるならこれになるということですよ…。マジかよこれはバルーンさん近々ワンチャン天下取るぞ…。
4.KEMU VOXX feat.GUMI『拝啓ドッペルゲンガー』
ボカロ曲っていろんなジャンルがありますが、総じて人気になるのは高速で、ストーリー性があって、厨二のハートに刺さる曲、みたいな風潮が前にはあったと思います。
それを体現していた人気のシリーズのひとつがKEMU VOXXでした。
このシリーズは2013年に幕を下ろしたはずだったんですが、2017年、当時の面影を残したまま新曲が出たので、 その日ファンの人たちは大歓喜でした!🎉
拝啓ドッペルゲンガー 君は 君は誰? 嗚呼 混濁と交差して僕は誰? ねえ有りもしない#0と#1 証明の根拠なんて何処にも
サビの歌詞はこういう感じ。自分との対話は、ボカロ曲の大事なテーマです。とにかく高速なテンポも、歌詞の感じも、当時のイメージが残ったままでよくできています。
この曲を作ったのはkemuさん。
有名な曲はたくさんありますが、一番再生回数が多いのはこれ。
ヨナ抜きのオリエンタルなメロ、ストーリー性のある歌詞、超高速な譜割りなど、シリーズの特徴をきちんと持っている名曲✨
わたしは『背景ドッペルゲンガー』が登場するまでは最終回の曲となっていた『敗北の少年』という曲も好き!
歌詞を好きすぎて文章を書いたことがあるよ!
5.キノシタ feat.音街ウナ『はやくそれになりたい!』
この曲のボーカロイド、音街ウナは、2016年にリリースされたばかりの新顔です。でも最近めっっちゃ人気があるんです!
ここ数年、ボカロは初音ミクの一強だったので、いろんな新星が出てきたほうがたのしいんですよね!
この曲はなんだか、最近のボカロ曲にはめずらしくキャラソンとして受容されているような感じがします。
初音ミクさんも最初はキャラソンがたくさん出たようなので、そういう意味で考えるとウナさんはちゃんと王道を目指して進んでいるのかもしれない!
曲調は明るくてポップでベタな感じ。
あいわなびー! 叫ぼうよ!
キミもあいわなびー! 声を上げて イェイ!
描く夢の色なんて そんなの誰にも決めらんない (ウナー!)
あいわなびー! 早く歌おう!
キミもあいわなびー! 何を歌おう? だから
転んで笑えるような世界に ほら、夢奏でてみよう
さっきから同じことばっかりしゃべってて語彙力のなさがバレバレなんですが、アイドルソングっぽい感じがめっちゃいいよね〜。
「あいわなびー!」をコールアンドレスポンスしたい!!
この曲の作者はキノシタさん。2016年にデビューしたばかりの方。わたしはそんなにめっちゃ聴き込んだわけじゃないけど、いつも明るくて前向きになれる気持ちの曲を書いていらっしゃる感じ。
サイリウムが似合うよね!
べらぼうに明るい感じ、聴いてると涙が出てきちゃうんですよね…もう年かもしれない……。
6.ナユタン星人 feat.初音ミク『彗星ハネムーン』
またナユタン星人さん!
そうです2017年にミリオン再生を2曲も送り込んだのこの人だけなのです。時代に選ばれている…!! わたしは時代に選ばれている人だいすきです!
この人の曲、最初は背景が青色で、それが6曲続いて、そのあと赤い背景になって、それが4曲続いています。この曲は背景が緑色になって初めての曲なんですね。
それに伴って、曲調もいままでとはすこしだけ(ほんとうにすこしだけ)違う感じ。
テンポは少しだけゆっくりになって、伸びやかな歌声が印象的だけどわたしはこれがいちばん好きかもしれない〜〜!
1サビで
曖昧なエアライン 言葉はいらない やっと出逢えたあなたと 星巡り繰り返し 目指すは宇宙の終着点さ
こうなって、2サビで
目指すは夢の出発点さ
こうなるのめっちゃよくないですか?
1番のサビでは「宇宙の終着点」を目指しているのに、2番のサビでは「夢の出発点」を目指しているんですよ!
「終着」で始まって「出発」で終わるんですよ! エモい!!
ナユタン星人さんのほかの曲はさっきご紹介したので省略〜!
7.wowaka feat. 初音ミク『アンノウン・マザーグース』
この曲を手掛けたwowakaさんも過去に伝説的な人気を博した方です。この曲は6年ぶりの復帰作。2017年はそういうのが非常に多くて、話題に事欠かない年でした。
wowakaさんについて、さっきも触れた米津玄師さんはこう言っています。
wowakaさんがボーカロイド界隈に与えた影響は相当なものがあって、彼が「ボカロっぽい」という概念を作り上げたのだと思う。僕も例に洩れずwowakaさんに影響を受けた人間の一人として、最大級の敬意を感じてる。とにかく最高。
— 米津玄師 ハチ (@hachi_08) 2017年8月22日
つまりすごいってことです!
この曲はBメロで、過去のようにめっちゃ言葉を詰め込んだりしてみているんですが、サビのところでは一転してものすごくテンポがゆっくりになります。
世界があたしを拒んでも 今、愛の唄 歌わせてくれないかな
もう一回 誰も知らないその想い
この声に預けてみてもいいかな
あなたには僕が見えるか?
あなたには僕が見えるか?
ガラクタばかり 投げつけられてきたその背中
そこにこういう歌詞。ここでいう「あたし」は、物語の主人公ではなくて、初音ミク自身に見えるんですよね。初音ミクがだれかの作った歌をうたうことに背中を向けたり向き合い直したり、そういう逡巡をテンポに合わせて見せてくれているようですごく印象的です。
こういう歌詞を歌わせられるのはキャリアの裏打ちがあるからですね…!
この曲を作ったのはwowakaさん。
先ほどの『砂の惑星』の歌詞に出てきた『ワールズエンド・ダンスホール』もwowakaさんによるものです。
有名な曲はたくさんあるけど、このあたりはカラオケとかでもいまでもよく歌われています〜!
「最近のボカロよくわかんないんだよね…」
ってぼやいてた友だちJKのスマホに『裏表ラバース』が入っててエモが最高潮でした…。遺跡かよ…って本人はつぶやいてたけど、でも歌詞完璧に歌えてたよ…。
8.DECO*27 feat.初音ミク『ヒバナ』
じつはわたし、2016年のボカロ曲もいまと同じようにまとめたことがあるんですが、去年ボカロ業界を席巻していたのは間違いなくDECO*27さんでした。
そのかたが2017年に繰り出した新曲がこの『ヒバナ』です。
コンコン 優しくノックして
乗り込め ココロの奪還戦
妄想ばかりが フラッシュして
加速するパルス 答えはどこだろう
わたしは初聴で音楽に心を撃ち抜かれることはそんなに頻繁にはないんですが、この歌詞の冒頭2行目でもうやられてしまいました…。
「乗り込め ココロの奪還戦」
譜割りがシラブル的でノリがいいというのもあるんですが、ココロがほかに乗っ取られてしまっている状態からこの曲が奪い返そうとするシーンを「ココロの奪還戦」と呼ぶセンスに射抜かれてしまいました。さいこうかな……。
この曲を作ったのはDECO*27さん。
wowakaさん、ハチさんとともに2010年ごろの隆盛の一角を担った方です。去年は『ゴーストルール』という曲を大ヒットさせて、単なる過去の人じゃないことをめっっちゃ印象づけてくださいました。っていうかこの曲で昨今のボカロ界の風向きが変わったといっていいぐらいに流行した曲でした。 ボカロクラスタのひとはみんなだいすき💕
9.Eve feat.初音ミク『ナンセンス文学』
ちょうぜつおしゃれ〜!!
ナユタン星人さんみたいな売れ線や、キノシタさんみたいなポップな感じとは一線を画した曲調に、わたしはフォーリンラブしました。ひとことでいうと、クールでカッコイイんです!
ジャンルでいうともう出てきているバルーンさんとかと少し近いかな?っていう感じ。いつもMVも凝っててとっても素敵。
僕ら
馬鹿になって 宙を舞って
今だけは忘れてラッタッタ(ラッタッタ)
踊りあかそう この夜を沸かそう
涙はほいっ して 眠らないように
歌詞もかわいげありつつどことなくオトナな感じありますよね。
わたしは偏差値低い感じの能天気ポップスもだいすきだし、そういうのがヒットしちゃうのがボカロ界隈の懐の深いところだとは思うけれど、でもそういうのばっかりじゃないんだよってアピールできる曲がこうして存在していて、しかもそれがすごく評価されているのがまたすばらしくてだいすき。
この曲を作ったのはEveさん。2016年に初めてボカロ曲をリリースしています。歌い手さんとしても活躍しているけど、わたしはオリジナル曲のほうがだんぜん好き! 自分の強みや弱みをわかった上でできてる曲はやっぱりしっくりくるよねっていう感想です。
『ドラマツルギー』っていう曲が完全に邦ロックなのでツボをぐいぐい刺激されちゃうよう…(。>﹏<。)
YouTubeには本人歌唱もあります。わたしはこっちのほうがリピしてる気がします。だってかっこいいじゃん…。
というわけで、2017年のボーカロイド楽曲をまとめてみました。
今回はわたしニコニコ動画の再生回数の多い順にまとめてみました。
これはこれで数字に裏打ちされているからちゃんと根拠のあることなんだけど、ボカロガチ勢のみなさんからしてみたら、アレがない!コレもない!って気持ちになるのも仕方ないと思うんです。
なので、次回も引き続き2017年のボカロの話をしてみたいと思います。
ボカロクラスタの間で年末年始にTwitterで「#2017年ボカロ10選」というハッシュタグが流行しました。
たくさんボカロ曲を聴いているみなさんが、1年間のベストを選んだのですね。
次回はそれを集計して、ガチ勢のみなさんの傾向も抽出していこうと思います。
ちなみに去年のやつはこれ。
ぜひお楽しみに!
(2018/01/20修正)