5日と20日は歌詞と遊ぼう。

毎月5日と20日に、J-POPやボカロ曲などの歌詞を読んだり、統計したりしています。twitterは@hacosato。

Claris『コネクト』

見たことのないアニソンを妄想で読んでみる回
こんにちは。
コネクト(アニメ盤)
今日はClaris『コネクト』を取り上げたいと思います。自分まどマギ見たことないのにね!
歌詞はこちら→http://music.goo.ne.jp/lyric/LYRUTND105631/index.html
構成はこちら→サビ-A-A-B-サビ-A-A-B-サビ-C-サビ-アウトロ

オフィシャル動画はない系ですね…υ

数字で考える

いきなりですがこの歌詞、動詞がかなり多いです。

交わした約束忘れないよ
目を閉じ確かめる
押し寄せた闇 振り払って進むよ

1連めを引用しました。この中でいうと動詞は「交わした」「忘れないよ」「閉じ」「確かめる」「押し寄せた」「進むよ」です。1行につき、2コずつ。多い…。
私は、この動詞群を過去形と現在形に分類してみました。後述の事情で、動詞以外の部分も入れてあります。

過去形 交わした約束、押し寄せた波、なくした未来、溢れ出した不安、刻まれた時、変わらない思い、目覚めた心、走り出した未来、包まれてた、歪んだ世界、救いだった、壊れた世界、辿り着いた
現在形 忘れないよ、確かめる、進むよ、見ることができるの?、歩んでこう、開けよう、描く、待っててくれる、挫けない、強まる思い、届く、おこせるだろう、越えてみせる、引き寄せられる

  • 過去形/現在形(というか「タ形」/言い切り)だとはっきり分かるもののみ、登場順にこの表に載せました。どちらともいえないような副詞的な使い方とかは載せていません。
  • 動詞の連体修飾は被修飾語まで載せました。終止形は動詞だけ載せています。
  • 繰り返し部分は省略しました。

さて。過去形のほうには連体修飾がめっちゃ多いです。翻って現在形のほうには、ほとんどありません。
連体修飾というのは、動詞を使って他の名詞などの要素を修飾することです。日本語の場合は、動詞の言い切りのかたちに直接名詞を繋げばいいので「交わした」の直後に「約束」と歌えば、どんな約束なのかというと「交わした」約束だよ、という情報を付けることができます。
で、この歌詞の場合、なぜだか過去形が使われるのはたいていほかの言葉を説明するときばかりです。
数字をまとめて、改めて表にしてみましょう。

  連体修飾 連体修飾じゃない 合計
過去形 37%
(10)
11%
(3)
48%
(13)
現在形 4%
(1)
48%
(13)
52
(14)
41%
(11)
59%
(16)
100%
(27)

こんな感じになりました。なんか、現在形と過去形で、特徴がはっきり分かれています。過去形は連体修飾ばかり。現在形は連体修飾じゃないのばかりです。世の中こういうものなのでしょうか。
分からなかったら、他と比べてみるに限ります。というわけで、ほかの歌詞でも同じようにカウントして、表にしてみましょう。こういうとき、先入観なく選曲するには、前回私が取り上げた曲にするのが一番です。
というわけで、たむらぱん『ココ』をカウントしてみます。

過去形 育んで来た、気がした
現在形 思う、晴れる、降ってるし、踊れる、持ってる、帰る場所、したい、分かってる、繋がる、動いてる、会える様、生きる、できる、戦ってるんだよ、なりたくない、なれる、なってく、行く、いざなう様、昇ってく

こういう感じ。『ココ』というタイトルは現在と相性がいいせいか、現在形が圧倒的に多いのが分かります。

  連体修飾 連体修飾じゃない 合計
過去形 0%
(0)
9%
(2)
9%
(2)
現在形 14%
(3)
77%
(17)
91%
(20)
14%
(3)
86%
(19)
100%
(22)

連体修飾はほとんどありません。「会える様」とかは連体修飾として分類しましたが、「様」という名詞はふわっふわしているので、実質ちゃんと連体修飾しているのは「帰る場所」ひとつぐらいしかありません。
結論:『ココ』はほとんどが現在形で、しかも連体修飾はほとんどなし。
次。SEKAI NO OWARI『RPG』

過去形 壊れたあの夜、歩いていた、見てた
現在形 歩く、やってる、いるの?、目指す、逢おう、目指そうか、出かけよう

こんな感じでした。『RPG』は動詞がこれまでの2曲よりも少ないですね。ここには載せていませんが、動詞の代わりに形容詞が多くなっているのが特徴的に感じました。

  連体修飾 連体修飾じゃない 合計
過去形 10%
(1)
20%
(2)
30%
(3)
現在形 0%
(0)
70%
(7)
70%
(7)
10%
(1)
90%
(9)
100%
(10)

こちらも傾向としては『ココ』とよく似ています。過去形よりも現在形のほうが多く、また連体修飾はほとんどありません。
結論:『RPG』もほとんどが現在形で、しかも連体修飾はほとんどなし。
さて、3曲比べたらもういいかなぁ。こうして『ココ』や『RPG』と見比べてみると『コネクト』の特徴が際立ってきます。

  • 過去形と現在形の登場頻度はほとんど同じ。
  • しかも使われる過去形は大多数が連体修飾になっている。

という特徴が分かります。すごく顕著ですね。
連体修飾に動詞が使われるときには、その動詞はただの補足説明のために登場しているのであって、文の主役になれたりはしません。連体修飾に使われている動詞は、言ってみれば裏方なわけです。
『コネクト』には、ほかの歌詞に比べてすごくたくさんの過去形の動詞が使われています。つまりこの歌詞は、ほかの歌詞よりもたくさんの過去のことを伝えようとしている、ということです。そして、過去形の動詞の多くが連体修飾のかたちで登場します。この歌詞は、過去のことはメインではなく、過去は説明するために語られている、ということです。
この歌詞では、過去形と現在形がほとんど同じ頻度で出てきます。でも歌詞のメインは過去ではなく、現在です。私がそう思う理由は、過去形はほとんどが裏方として黒子を着て出てくるのに対して、現在形はほとんどが黒子を外した状態で出てくるからです。

雰囲気で考える

この歌詞、過去は闇に象徴されているように思います。

交わした約束忘れないよ
目を閉じ確かめる
押し寄せた闇 振り払って進むよ

1連を引用しました。この歌詞では約束を交わしたのは過去、それを確かめているのは現在です。
主人公は過去のことを確かめるために「目を閉じ」ています。目を閉じると、視界は闇に包まれます。この歌詞では過去のことは闇と結びつきが強いなぁと思い至ったわけです。
それからもうひとつ注目したのは「振り払って進むよ」です。主人公が過去に押し寄せられたとき、それを「振り払って」進もうとしています。基本的主人公は過去を振り払おうとするスタンスでいます。

溢れ出した不安の影を何度でも裂いて
この世界歩んでこう

3連を引用しました。「不安の影」はさっきの「闇」と相性のいい言葉です。なにか過去に関係する不安なのでしょう。
そして「何度でも裂いて」いるのは現在っぽいです。裂くことは振り払うことと似ていますから、ここでもさっきの構図が当てはまります。強引に表にすると、こんな感じ。

  1連 3連
過去 押し寄せた闇 溢れ出した不安の影
現在 振り払って進むよ 何度でも裂いて

「闇」と「影」、あるいは「振り払って」と「裂いて」。きれいな対比の関係が浮かび上がります。
さて。

とめどなく刻まれた 時は今始まり告げ
変わらない思いをのせ
閉ざされた扉開けよう

1番のBメロを引用しました。「刻まれる」という言葉は「振り払う」や「裂く」と似ています。
それでも主人公は「扉開けよう」としています。開けたらどうなるのでしょうか。続くサビを引用しましょう。

目覚めた心は走り出した未来を描くため

こんなサビのフレーズへと繋がります。「扉開けよう」と「目覚めた」はとても似ている言葉です。そしてこの開かれる感じは1番に出てきた「目を閉じ」とは対極の存在です。主人公は、闇に閉ざされていた過去を振り払ってここまでやってきて、いよいよ未来へと扉を開こうとする、そんなストーリーが1番のここまでから浮かび上がってきます。
ところで、2番のBメロをもう一度引用します。

とめどなく刻まれた 時は今始まり告げ

こんなフレーズでした。この部分、時は刻まれることでやっと始まるような感じにも読めます。主人公が時を刻むまで、まるで時間は止まっていたかのようです。
私は、主人公のいるこの世界は、時間が止まっていたのではないかと思っています。この歌詞では、主人公のいる世界について、こんな描写があります。

何もかもが歪んだ世界
唯一信じれるここが救いだった

壊れた世界で彷徨って私は
引き寄せられるように辿り着いた

それぞれ2番のAメロと、Cメロです。世界は「何もかも歪ん」でいたり、「壊れ」ていたりします。世界の時間が止まっているのなら、その表現もしっくりきます。
そして「ここ」という場所が、壊れた世界と対になる存在として描かれているみたいです。世界は壊れていてあてになりませんが「ここ」は「唯一信じれる」救いの場所です。Cメロに書いてある「辿り着いた」場所のあて先もきっと「ここ」なのでしょう。「ここ」って場所がヒントになりそう!
では「ここ」とはどんな場所なのでしょう。
私はそのヒント、1番のAメロに出てくると思いました。

いつになったらなくした未来を
私ここでまた見ることできるの?

こんな部分。「ここ」が初めて出てくる場所です。主人公は「ここ」を未来が見られる場所として期待しています。でも、実際には見られません。なぜなら世界は壊れていて、時が止まっているからです。
だから主人公は戦います。振り払い、裂き、刻むことで、いつか世界の時計は動き出し、主人公は「ここ」で未来を見ることができるようになるのでしょう。未来は、放っといてはやってきません。

ずっと明日待って

主人公にとって明日は、待つに値するものなのです。「ここ」は、なにか時計台のようなものだったり、墓標のようなものだったり、そういう場所なんじゃないかな、と私は勝手に想像したのでした。



ということでClaris『コネクト』でした。
ここまで、たむらぱん『ココ』SEKAI NO OWARI『RPG』と、3回連続でアニメのタイアップがついた曲を取り上げて来ました。いままでアニソンって、アニメを見てないと手も足も出ないんじゃないかと勝手に思っていたのですが、案外アニメのほうを見ていなくてもこれはこれでちゃんと楽しめる感じがしましたよ! 特に今回の『コネクト』はアニメとの結びつきが特に強そうな感じがしたので、最初は及び腰だったんですが、楽しかったです。
ばっちりアニメのほうも押さえている人に、私の妄想もぜひ読んでいただきたいなぁと内心で考えています。意外に符合するところとかあるのかな…?(ないかな…)
コネクト

コネクト

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次回予告をしたいところですが、次回は未定です♪ たくさん手を出しているのに、何一つ読めません〜☆
クリスマス前に手当たり次第知り合いに声をかけ、全員に断られる感じに似ています。こんなの絶対おかしいよ。

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