5日と20日は歌詞と遊ぼう。

歌詞を読み、統計したりしています。

Superfly『輝く月のように』

愛を知って輝きだす世界
こんにちは。
前回はSMAP『Joy!!』の記事をお楽しみいただき、ありがとうございました。
今回も引き続き、謎の対談形式でまとめてみたいと思いますので今後ともよろしくお願いします。
輝く月のように/The Bird Without Wings(通常盤)
ということで、今回はSuperfly『輝く月のように』を取り上げたいと思います。
前回はボクが持ってきたので、今回は攻守交代になります。よろしくお願いします!
よろしくね。さっそくだけど、歌詞の出だしは、こんな感じ。

どれくらい感謝したって足りないから
あなたを全心で見つめ返す
太陽の光を浴びて輝く
夜空の月がそうしてるみたいに

なるほどね。「見つめ返す」ことを、夜空の月になぞらえているわけだ。
そうだよ! ステキな比喩だよね。でもって、

愛を知って輝き出すんだ
人もみんな世界を照らしてく
夜空の月のように

サビはこんな感じなの。「愛を知って輝き出すんだ」って、どういうことだと思う?
え、「あなた」からの愛を知って「私」が輝きだす、ってことじゃないの?
と思うじゃん?
違うの?
合ってるけど、違うのよ。それをこれから追いかけてくね。
なんだそれ? 今日もおもしろそう。

歌詞はこちら→http://music.goo.ne.jp/lyric/LYRUTND132041/index.html
構成はこちら→A-A-B-サビ-A-B-サビ-(間奏)-B-サビ-アウトロ

もう私、この歌詞ほんと大好きなんだけど、とりあえず1連と2連を引用するね。
(このままだと全部引用する勢いだなこいつ…)

どれくらい感謝したって足りないから
あなたを全心で見つめ返す
太陽の光を浴びて輝く
夜空の月がそうしてるみたいに
 
雲の空 隠れるように彷徨う私に
光をぶつけてくれたね
ひとりきり閉ざした心こじ開け
私のすべてを受け止めてくれたんだ

こっから、歌詞のそもそもの状況の設定が見えてくるよね。
主人公は最初、心を閉ざしていたんだけど「あなた」に光をぶつけてもらって、それで何かが開けたんだね。
「光をぶつけてくれた」って、ほんといい表現だよね! そりゃ「あなた」太陽みたいだわうんうん。
でもって、主人公は「あなた」を見つめ返すわけか。それがまるで夜空の月のよう、ってわけだ。
光を跳ね返すなんて、そりゃ月にしか思えないよね。
主人公はたぶん女の子で、「あなた」はきっと男性だよね。男は太陽で、女は月ってわけ?
平塚らいてうかよ! 違うよあのね、あとでちゃんというけど、私、この歌詞に出てくる人は最終的に全員が月になると思うの。
(ちょっと、今日は特になにを言ってるのか分からないぞ…)

  *  *  

愛を知って輝き出すんだ
人もみんな世界を照らしてく
夜空の月のように
こんなにも輝いてるよ 見えるかな
逃げないで強くなってく
あなたに笑って欲しいから
こんなにね 見て、光るよ

サビを引用しました。いいサビだよねぇ♪
今日そればっかりだな。
ところでさーぁ、このサビって主語にあたるモノがないじゃない? 補ってみると、どんな感じになると思う? まず、1行目から。

愛を知って輝き出すんだ

「輝きだす」のは「私」だね。私が愛を知って輝きだす。
そうだね。次、2行目。

人もみんな世界を照らしてく

「照らしてく」のも「私」。私が世界を照らしてく。
正解。次、3行目には述語がないから、4行目。

こんなにも輝いてるよ 見えるかな

「輝いてる」のも「私」。なんだ、ぜんぶ主語は主人公みたいじゃないか。
そうだよ。気づいた? サビの部分、主語を補って書いてみると、こんな感じになるよね。

(私が)愛を知って輝き出すんだ
(私が)人もみんな世界を照らしてく
夜空の月のように
(私が)こんなにも輝いてるよ 見えるかな
(私が)逃げないで強くなってく
(私が)あなたに笑って欲しいから
こんなにね 見て、(私が)光るよ

「私」ばっかり!! なにこの自分推し。
自分推しなのは別に変じゃないでしょ。どれでもいいけど、例えばスピッツ『さらさら』の歌詞だって、主語を補うならだいたい「僕」になりそうだよ。主人公ちゃんが主語になり得るのは、不思議なことじゃないの。
まぁ、そんなもんかぁ…。
それよりも注目なのは、2番以降なのよ。似たようなサビに見えるでしょう。補える主語が変わるんだから。
えっ? それどういうこと??

  *  *  

不思議だね、
笑顔の奥で泣いてた頃の
私にさよなら出来たんだ
ありがとう
だから、苦しい時には
私の光で守ってあげたい

2番のAメロを引用したよ。ここで注目なのは後半。「私の光で守ってあげたい」って部分なの。
いままでは、光を受け取る側だったんじゃなかったっけ。
そうでしょ? それなのにここでは「私の光で守ってあげたい」っていうスタンスに変わるの。光を受け取る側から、光を差し出す側に変わるのよ。
これ、あれじゃないか。前回ボクが取り上げたSMAP『Joy!!』と同じ流れじゃないか。
気づいた? ねぇいま気づいた!?
(今日このテンションついてけない…)

誰かのためになりたい 誰かのために生きたい
きっと、あなたに出逢ったから
生まれ変われたんだ

その象徴としての「生まれ変われたんだ」っていうフレーズが、2番のBメロになって現れるわけよね。すばらしいよね。

愛を知って輝き出すんだ
うれしいよ
不器用な私だって、まだ小さい光だって

でもってのサビですよ! 見てこの「愛を知って輝き出すんだ」。
さっきと同じフレーズじゃん。
補うべき主語は「私」だと思う? 違くない?
あぁ。分かった! 「輝きだす」のは「私」じゃなくて「誰か」なんだ。
その通り! だからサビの後半もね、

どうかずっと見守っていてね
いつまでも
無限に繰り返す 心に抱く想いよ
飛んでゆけ ありがとう

こんな感じになるわけよ。「無限に繰り返す 心に抱く想い」って、どういうことだと思う?
照らし、照らされあうことの連鎖が無限に繰り返す、ってこと?
そうそう! 私もそんな風に捉えたよ。
なるほどねぇ。

  *  *  

愛を知って輝いてるよ
迷わないで世界を照らしてく
夜空の月のように
こんなにも輝いてるよ

最後のサビを引用したよ。
「愛を知って輝いてるよ」ってなってる。さっきまで「輝きだすんだ」になってたのに。
アスペクトが変わったんだね。これ、私はね、主人公ちゃんが「誰か」に向かって歌いかけているんだと思ったよ。
主人公は「誰か」に向かって、あなたは輝いているんだよ、って教えてくれているみたいに見えるね。
そうなんだよー! 最後のサビの主語はね、全部「誰か」として読めると思うんだ。
つまり、補って書くと、

(誰かは)愛を知って輝いてるよ
(誰かは)迷わないで世界を照らしてく
夜空の月のように
(誰かは)こんなにも輝いてるよ

こんな感じか。
そうそう。最初は主人公ちゃんが「夜空の月のよう」だったのに、最後には別の誰かが「夜空の月のよう」になるんだね。
それが無限に繰り返すなら、誰もが誰かの太陽になれるし、誰もが月のように輝くわけだね。
そういうこと! だからこの曲をSMAP『Joy!!』のあとにやりたかったのよ。
なるほどね。いいうただった!



というわけで、Superfly『輝く月のように』でした。
ここまで、リンクも追いかけながら読んでくださったかたなら分かると思うのですが、この歌詞、以前私が取り上げたSuperfly『やさしい気持ちで』と構図が同じなのです。もしかしたらSuperflyは、愛を受け取り、それを誰かに渡し直すことによって世界中を愛で満たすような、そういう世界観をずっと追求しているのかもしれません。
それか、私自身がSuperflyをダシにして、そういう世界観を求めているのか、まあどちらかですね…。
なお、今回は「主語を補う」とかっていう英語の授業みたいなフレーズを連発していますけど、日本語に主語があるかどうかについて議論があることはいちおう知ってはいます。今回は動詞の動作主を明示するならどうなるか、みたいな、底の浅い話をしているのであんまりツッコミ入れないでください…(でもお勉強したいので情報提供は歓迎♪)。
ナゾの対談形式は、とりあえず今回までとします。次回は普通に戻しますが、よい記事を書くための努力は続けていこうと思うよ。今回は前回よりもかなりさくさく書けたので、前より楽しかったです。どうもありがとうございました。
輝く月のように

輝く月のように

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↑クリックすると私の大好きなサビをまたぐ転調のところまで聴けます♪次回はAKB48『ポニーテールとシュシュ』を取り上げます!
…と思っていたのですが、さっきこれとは別にすごくおもしろそうな夏の曲を見つけてしまったので、もしそちらが読めればそっちをやります。その場合、ポニシュシュは来年の初夏までお預けかな…。