5日と20日は歌詞と遊ぼう。

歌詞を読み、統計したりしています。

大塚愛『I ♥ ×××』

-ステップを踏みながら広がる視界-
こんにちは。6月の夜が好きです。でも仲間に会ったことはないですo いいのになぁ。夜すずしくなるあたりほんと好きなんだけど。
I LOVE ×××

今日は大塚愛『I ♥ ×××』を取り上げたいと思います。なんと、リリース前なのでCD画像などないです。こんなの初めてです。なので「No Image Available」画像を作っておきました♪ CDのリリース(今年中にぜったいあると予想!)があったら差し替えます。
追記しまーす。リリースが決まりましたのでCDの画像を差し替えておきました☆ ペンギンなのにハートがふたつもある不思議なジャケ写ですね。
この曲は、NHK合唱コンクール中学校の部課題曲です。アンジェラ・アキ『手紙 〜拝啓 十五の君へ〜』いきものがかり『YELL』につながる流れってことですね。さて、今年の課題曲はどんな曲? そういう視点から今回はこの曲を取り上げます。
歌詞を見てみると、

I LOVE YOU をmy family
I LOVE YOU いつものmy friend and,
I LOVE YOU たった1人の lover

と始まる、「I LOVE YOU」づくしの曲です。じゃ、好きなモノをいろいろ単に並べていった曲かな? なんて思っちゃいますが、読み込んでみると、そんなに単純じゃないみたい。内容にも表現にも、ちゃんとした理由が見え隠れしてますよ。いっしょに追いかけていってみましょう。
歌詞はこちら→http://www.nhk.or.jp/ncon/music_program/kadaikyoku_j.html(曲も聴けます♪ 前奏のピアノがステキ!)
一応いつもの歌ネットの歌詞のページにもリンクを用意しておきます。
構成はこちら→A=B-サビ-A-B-サビ-A-B-A'

この文章では1〜3連を1番、4〜6連を2番、7〜9連を3番と呼びますね。

1番と2番はあなたとわたし

1番と2番、構成も歌詞の組み立て方もだいたい同じです。3連ずつセットになっていて、しかも言葉の使い方もキレイに揃えてありますね(たとえば、Bメロが両方とも「そして」で始まってる、とか)。合唱として歌っているなら、1番も2番も、同じような歌い方になってしまうかもしれません。
でも! 1番と2番はおんなじ歌い方じゃきっとだめだと私は思います。なぜなら、歌っている内容が違うからです。
1番と2番のBメロを引用してみましょう。1番は

そして you, and you.

という歌詞。それに対して2番は

そして my dream...myself

という歌詞です。英語の部分を日本語に起こすと、1番は「あなた(たち)」、2番は「私の夢…私自身」って感じになるでしょう。1番はあなたのことを歌っているのに対して、2番では自分自身のことを歌っています。ここが大きく違うので、1番と2番は意味が大きく違うのです。
Aメロの部分にもBメロと同じ対応関係があります。1番では家族、友だち、恋人へのI LOVE YOUを歌っているのに対して、2番では昨日や何年も先の物語、そして何気ない今日のことを歌っています。Aメロでもやはり、1番では身近なだれかのことを、2番では自分自身のことを歌っています。
短く言い換えるなら、1番は二人称への愛、2番は一人称への愛みたい。二人称っていうのは相手のこと、一人称っていうのは自分のことです。
表にまとめるなら、

1番 2番
Aメロ 家族、友だち、恋人への
I LOVE YOU
昨日や何年も先の物語、
そして何気ない今日への
I LOVE YOU
Bメロ あなた(たち) 私の夢…私自身
人称 二人称 一人称

こんな感じかな。
ところで、一人称への愛なんていったらなんかナルシストっぽい感じするかもだけど、そういう感情って生きてく上で欠かせないものなのよね。あぁ自分ってこうなんだ、ってしみじみ分かるような経験をできたらステキだなぁ。

その推移はどうして?

何となく好きなものを並べているだけじゃ、こんな風にきれいには分かれないはず。この曲、どうして二人称から始まって、一人称へ移行するんでしょう?
Nコンのページに、みんなの ♥ ノートってのがありますよー。この課題曲のテーマに合わせて、みんなが自分の好きなモノとかヒトとかを書いたコーナーです。ついでに私たちも考えてみましょうか。愛してるものや好きなものはなに? だれ? どんなものごと?
なんて考えてみると、(照れくさいけど)家族や友だちのことが出てきて、あと趣味とか部活とかが出てきて、好きなヒトのこととかが出てきたりしませんか? しましたね☆ 答え合わせとばかりに、みんなの ♥ ノートをのぞいてみると…ふむふむ、なんとなくみんなが考えてることもそういう感じのモノが多そう。
ところでそれ、この曲の1番のAメロと内容がほとんど一致してるのです。ウソだと思うなら確認してみてね。…ほら。
だからこの曲のスタート地点は、別に難しくありません。愛してるもの、好きなもの…って考えていったら普通に思いついちゃうような、そういう背伸びしない感情からこの曲は始まってたんですね。
そんな1番の最後の最後は

どれ1つとってみても それは見つけた宝物

と締めくくってあります。こうして出会えて見つけることができたからこそ、自分はいろんな二人称にI LOVE YOUを言えるんだなぁ、って気づいたんですね。
でも出会いってひとりじゃできません。私が恋人に出会うためには、恋人の存在だけじゃなくて私自身の存在も半分半分で重要ですよね。だから、出会うことに思い至って、出会った対象のことを考えていったら、自然と今度は自分自身に考えが向いてくるはず。こうして1番は2番へと移行するのです。だれかのことを考えることは、自分自身を考えることにつながっていくのです。だって恋とか、そうでしょ?

2番から3番へ。

2番の最後の最後は

信じてみても悪くない それは最初からある宝物

と結ばれます。二人称も一人称もどっちも「宝物」。でも1番では「見つけた宝物」でした。2番では「最初からある宝物」に変わります。二人称の宝物は自分で見つけたきたものだったけど、一人称の宝物はなあんだこんなところに最初からあったんだ、そういう響きがあるみたい。
大切な自分自身は、生まれたときからずっと存在し続けています。でも普通はそのすごさにはなかなか気づくことはありません。だれかのことを考えていたら、いつの間にかそんなすごさに思いがたどり着いたよ!そういう発見の喜びがこの歌詞から伝わってきます。
  *  *
7連からは新しい歌詞が始まります。また、「I LOVE YOU」から始まる、1連とかと同じメロディです。今度はLOVEの宛て先が音楽、星の光、月、海…って感じ。なんだか急に地球全体をイメージさせるような、大きい単語が並びました。
さっき二人称と一人称って言葉を取り上げましたよね。1番は二人称を向き、2番は一人称を向いていました。じゃあ3番はどっちを向いているのかな?
ここに並んでいるのは、どちらでもありません。だからこれは三人称の世界。わたしとあなた以外のすべてを向いています。ここでこの歌詞の視野は、もう一段階 広くなったんですね。
ところで。この曲の歌詞は「×××」で終わっています。字面を見る限りだと、ここにはいろんな言葉を当てはめることができますから、いろんなものへのLOVEを歌えるのかな?って思います。
でも、「×××」って別の意味があるの知ってます? 手紙の最後とかに使う、「Kiss」のしるしでもあるのです。それに気づいて、ああそうか、これは手紙だったんだ、って私は思いました。この曲はいろんなものごとへの愛を歌う手紙です。
ん?待って、愛を歌う手紙? 愛を歌う手紙って、そういうもののこと、私たちはもっと聞き慣れた言葉として知っています。
この曲、ラブレターなんですね!

まとめ

前回は木村カエラ『Butterfly』を取り上げました。今回の曲とは、終盤に空が出てくる、って点で共通点があります。
私は、『Butterfly』を揺れ動いている曲なんだなあと思って読みました。そもそもチョウって存在自体がゆらゆらと揺れ動くものですが、そんなことよりも“固定”の要素と“解放”の要素の間で揺れるなぁ、と思いました。「空」はどうでしょう。これは“解放”のイメージですね。青い空にはばたくチョウっていったらあらゆるしがらみからも自由、みたいな印象があります。
一方で、この曲に出てくる空はどんなイメージを持っているのでしょう。8連に

そして sky!

と、すごい一等席にsky、つまり空が陣取っています。
この曲の3番は、私たちを取り巻く、スケールの大きなものへの愛を歌っているのでしたね。その例としていくつか言葉が登場しています。音楽、星の光、月、海。
でもその中で、私たちの目から見て最も大きなものが空なのでした。この曲、最初はLOVEの宛先は家族だったんでしたね。家の中にとどまっていた視野は、最後には広い空へと向けられてます。そういう大きな流れもあったみたい!



今回はちょこっとライトめに書いてみました。読みやすくなってたらいいんですケド、どうかなぁ…。
それじゃ、また。次回はたぶん7月。本当は夏の曲たくさん取り上げたいとこなので、月に3回ぐらい更新したいんだけど…できるかな(汗)。
I LOVE ×××

I LOVE ×××

I LOVE ×××

I LOVE ×××

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