5日と20日は歌詞と遊ぼう。

歌詞を読み、統計したりしています。

喪失感の喪失 - BUMP OF CHICKEN『宝石になった日』

BUMP OF CHICKEN『宝石になった日』の歌詞を見てたよ!

Butterflies (通常盤)

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歌詞の最初って、たとえばサビとかよりも個性が出る、ってわたしは思っています。
AKBの曲だったらたいていシチュエーションの設定と、主人公の紹介とかから入ります。
いきものがかりだったら、道行く人が足を止めるようなわかりやすいサビから入りがち。
関ジャニ∞だったら、なにかおっと思わせるようなキャッチーなフレーズで始まります。
サビはだいたいどのアーティストでも目立ってわかりやすいフレーズを用意する中、歌詞の始まり方にはもっと個性が出るのです。

さて。BUMP OF CHICKEN『宝石になった日』の歌詞の最初はこんな感じ。

夕立が屋根を叩いた唄 窓の外で世界を洗った
掌にはなんにもない ただなんとなく眺めて何分
ここにはすっごくテクニックが詰まっています。
主人公は家の中にいて、夕立は家の外の話。そして、見つめている掌は主人公の手の中の話です。
“家”と“手”というふたつの要素が入れ子になって、片方は騒がしくて、もう片方は静謐、という対比が描かれているんですね。
この曲はBUMP OF CHICKENのたくさんある歌詞の中で、わけても技巧的だと思います。
きょうはそんな歌詞の世界に立ち入る話。歌詞の話を久しぶりにできてうれしい!

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